夢の中で君を描く
今日は水曜日だから、七時間授業。
しかも最後の授業は国語、俺の一番苦手な教科だ。
物語になっているのはまだいいけど、何かについて論ずる文は好きじゃない。
「64ページ開いて。」
先生が新しい話に入るからと、本文のCDを掛ける。
それは12ページもある長い話で、CDから聞こえる柔らかい声に、段々と頭が下がってくる。
俺は廊下側の一番後ろの席で、みんながよく見えるから、殆どの人が机に伏せて寝ているのが分かった。
斜め前の席の雄大は肘をつき、頑張って起きようとしているようだが、カクカクしてる。
まるで子守唄。
先生は寝ている生徒を注意する事もなく、教科書を眺めていた。
ヤバい、俺も眠くなってきた。
蒼井さんも、やっぱ寝てるかな。
一番窓際の席だった気がする…って、人がいて見えないか。
頑張って起きとこうと、教科書の読まれている文字を目でなぞる。
そしたら余計眠くなって、雄大みたいに頭がカクンと落ちた。
よし、寝よう。
俺は机に伏せ、直ぐに眠りに落ちた。