Destiny ─ 運命 ─
座りながら全力で体を動かして首をふって。
「あっちあっち~!」
その声は周りの些細な音さえもかき消すくらい
私の耳へと届いた。
その声の主に向かって私は顔を向けた。
そこには翔の姿があった。
まさかこんな大勢の場所で会えるなんて思わなかった。
そして目が合った…
翔はそのまま友達と奥へといってしまった。
でも、今確かに目が合ったきがした。
暗くてよく見えなかったけれど、確かに。
こんなに
こんなに嬉しいんだね。
初恋みたいに。
小さなことでウキウキしている自分がいる。
そんな自分、私は嫌いじゃないって思った。