Destiny ─ 運命 ─
花火が終わって一斉に帰るその時も人だかり。
はぐれないように友達の浴衣の裾をつかむ。
何度も振り返って翔の姿を確認しようとする私に気付かず進んでいく友達。
その後を、後ろを向きながらただただついて行った。
結局、最後の最後は会えずに友達とも別れて家へと帰宅。
とても綺麗な花火に感動はしたものの、やっぱりそれどころではなかった気がした。
家に着くとすぐに携帯の画面を見た。
「奈々、さっきいたよね?目あったよね?」
今日1番のテンションだったと思う。
目が合ったと思っていたのは私だけじゃなかった。
翔もそうだったってこと。
「だよね!あったよね!」
それは嬉しいものの
ただ、そうやって返すことしかできなかった。
来年は、翔のとなりで見ることができるかな…?
そうだといいな。
─神様は─
私達の未来を
運命を
─知っているのですか?─