Destiny ─ 運命 ─


ちょうど私の思いが加速していた頃。


私といつも一緒にいて、移動教室や、グループが同じ花から話があると言われた。


だいたいの予想はついていた。


花は私が翔を好きなことを知っている。


花は昔から好きな人を被せてきたり、コロコロ好きな人が変わったりするタイプだ。


けど、男子受けが悪いのか好かれはしないから


付き合う、というところまでは行かない子だった。


積極的すぎるのかもしれない。


「花ね、翔のこと好きなんだ。けど、奈々も好きなんだよね…?」


正直、驚きもしなかった。


花と翔は通ってる塾が同じで


最近、よく翔の話を聞かされるなと感じていたから。


だから驚きもしなかった。


ただ


言わないで。


とは思ったけど。


言葉に出してしまったら、それがすべてだから。


なのに。


「なら大丈夫だよ~。奈々、受験頑張りたいからさ!勉強勉強!!翔のこと好きじゃないからがんば!」


後でとても後悔したのを忘れない。


でも、どこかでわかってはいた。


翔は


絶対に花は選ばないって。



< 15 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop