Destiny ─ 運命 ─
そんな私のわずかな楽しみも消えようとしていた。
肌寒くなり、ちらちらと雪が降り始めた11月下旬。
「奈々、そろそろ携帯預けたら?入試終わるまで。」
そうお母さんに言われてしまった。
ここ最近、翔のLINEの返信が気になって仕方がなくて
勉強が手につかないことが多くあった。
自分にとってはいいことなのかもと思って、私はそれを素直に聞き入れた。
電源を落とす前
「翔!携帯預けるからLINE出来ない!学校でたくさん話そう!」
そう言って私は携帯の電源を切った。
翔との唯一の繋がりが消えた今、私には花に勝ち目がない。
どんなに願ったって
翔が誰を選ぶかなんてそんなの
─運命だから─