Destiny ─ 運命 ─
受験にむけて着々と準備を進めていく受験生。
私ももちろん、家に帰ればすぐに勉強をした。
今まで部活や遊びほうけていた自分に固く鍵をかけて。
恋愛もすべて捨ててるつもりだった。
高校に入ればかっこいい人をすぐ見つければいい。
翔の事は好きじゃないからと
自分の気持ちを固くきつく縛りつけていた。
その日は雪がとても降っていた。
最後の気晴らしにと、先生が席替えを持ちかけてきた。
当然、盛り上がる教室。
自分の席の後ろが翔という特等席を持つ私にとっては地獄のような時間。
たったの2週間の大切な翔との思い出。
たくさん話せた毎日はいつも以上にキラキラしてた。
いろんなことを思い出しているうちに順番は私の方へ。
あたったクジは16番。
廊下側の席だった。
翔は……
「うわっ!またお前隣かよ!」
そう言う翔の声と同時に
「また花と一緒じゃん!笑」
と嬉しそうに笑う花がいた。
いつも翔のことについて満面の笑みで話す花のことを
私は素直に可愛いと思った。
嫉妬だって大してしなかった。
けど、今回ばかりは
"花さえいなかったら"
なんて考えちゃった。
そんな私のことを翔は好きになんてなってくれないんだろうね…。