Destiny ─ 運命 ─


もちろん


止めようと思わなかった。


それよりも、多分止められなかった。


「あー。そうなんだ。了解。じゃあね。」


花からの返事。


もちろんそんな返事が返ってくるのなんてわかってた。


今までも何度かあったから。


私は昔から人見知りで、友達ではあるけど上手に人と話すことが出来なかった。


だから、唯一ずっと仲良くしてくれて


素を出して向き合って話すことが出来た花。


そんな友達が、花が、私のことを嫌いになるんじゃないかって


気づいたら涙がこぼれ落ちてた。


大したことじゃない


今までだって何度かあった。


なのに。


耐えきれなくなった時、気づいたら翔に話してた。


それもまたLINEでだったけど。


翔はちゃんと話を聞いてくれた。


誰にも言わないよって声をかけてくれた。


なんて私は汚いんだろうって思った。


花の好きな相手にこんな話をして


まして花の話。


でも、花が翔のことを好きなのと同じくらい私だって翔が好きなの。


時間なんて関係ないけど、花が好きになるよりもずっとずっと前から好きなの。


…花には渡せないよ。



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