誰よりも遠い貴方…
ハル「………シオチャン?」
ハル「………シオチャン???」
…あ!
シオ「すみません!私待ちですよね…(笑)」
ゆっくりと起き上がりながら…
助手席のリクライニングを戻し…
シオ「すみません…ありがとうございました…。」
軽く笑顔と軽く会釈をした後
私はドアを開け、ハルサンの車から降りた。
降りた所は確かに私の家の前だった…。
ふらつきながら家に向かって歩く私。
不意によろついた私に手を差し出したのはハルサン。
体勢を立て直しながら渡しは
シオ「…ごめんなさい。」
と言った…
そして
私は
何故か泣いていた…。
驚いた顔で
ハル「どした?」
驚いているのはハルサンだけじゃない。
私自身も驚いていた。
ハル「大丈夫か?」
シオ「…はい。」
ハル「……
はぁ……
大丈夫じゃないだろ?」
シオ「ほんと!大丈夫!!」
シオ「おやすみなさい!!」
私はそれだけ伝えると、振り返りもせず自分の家の玄関まで走った。
鞄から鍵を探して、玄関の扉を開けた時。
後ろで車が去っていく音だけがしていた…。