誰よりも遠い貴方…






ハル「………シオチャン?」



ハル「………シオチャン???」





…あ!


シオ「すみません!私待ちですよね…(笑)」




ゆっくりと起き上がりながら…
助手席のリクライニングを戻し…


シオ「すみません…ありがとうございました…。」


軽く笑顔と軽く会釈をした後
私はドアを開け、ハルサンの車から降りた。






降りた所は確かに私の家の前だった…。



ふらつきながら家に向かって歩く私。




不意によろついた私に手を差し出したのはハルサン。



体勢を立て直しながら渡しは



シオ「…ごめんなさい。」



と言った…










そして
私は
何故か泣いていた…。




驚いた顔で
ハル「どした?」




驚いているのはハルサンだけじゃない。
私自身も驚いていた。





ハル「大丈夫か?」


シオ「…はい。」


ハル「……
はぁ……
大丈夫じゃないだろ?」


シオ「ほんと!大丈夫!!」


シオ「おやすみなさい!!」





私はそれだけ伝えると、振り返りもせず自分の家の玄関まで走った。



鞄から鍵を探して、玄関の扉を開けた時。
後ろで車が去っていく音だけがしていた…。








< 12 / 81 >

この作品をシェア

pagetop