誰よりも遠い貴方…








12時を廻っても店内は満席で賑やかだった。






お客様もキャストも
皆が陽気に笑っていた。






その中でも群を抜いて私が1番陽気だった。










お店の扉が開いた。


キャスト達の甘い声での
「いらっしゃいませ〜♪」
が店内に響く。





私の座ってたのは奥のビップ席。
店の入り口は見えない。
マスターが駆け寄り親しげに会話をしてる。
それから見えた姿は
コウジ君だった。
そしてコウジ君の後ろにもう一人男性。

コウジ君もその男性もマスターの友達のようだ。









ボックス席は未だ満席で
コウジ君とその友達はカウンター席へと案内されていた。










私は今の席を少し立ち、
コウジ君の元へ。








シオ「コウジ君!プレゼントは?」


コウジ「12時廻ってシオチャンの誕生日終わったっすよ!」


シオ「え〜!?」


コウジ「じゃ今日は朝まで飲むっすか?」


シオ「うん♪飲む♪」





隣の友達とマスターがそんな私たちの会話を聞きながら笑ってた。


そして隣に座ってる友達に対して

シオ「今日は飲みましょうね♪」

コウジ「なんだかハルチャンには丁寧じゃない?」


シオ「え?だってねぇ〜♪」


コウジ君が[ハルチャン]と呼ぶ彼は笑いながら
「ねぇ〜♪」
と私に同調したような感じで言ってくれた。




…笑顔が素敵。










彼等のグラスに新しくドリンクを作り



シオ「もう少し待ってて♪」


と言い残し、マスターに任せて私は元居た席に戻った。








1時を廻り少しずつ空いて行くボックス席。



私の居る席もチェックが入る。


お見送りをした後、ひとまず裏に戻り化粧直しをした後
私は薄暗く少し落ち着いた店内に戻った。
< 2 / 81 >

この作品をシェア

pagetop