誰よりも遠い貴方…
12時を廻り、
今日携帯チェックをしてない私に気付いたマスターから
呼び出された。
マスター「シオ…
今日の成績。」
機嫌が悪い時のマスターは私たちキャストを呼び捨てにする。
そして、今機嫌が悪い時。
シオ「はぁ。」
マスター「何人の人にシオの携帯鳴らしたって言われたと思う?」
シオ「はぁ。」
マスター「大分飲んでるね…。
とりあえずチェックしてきな。」
シオ「はい…。」
マスターに言われなくても知ってた。
私を可愛がってる客の席に行くと
「鳴らしたのに~」
「メール入れたんだよ?」
と何度も聞いていた。
どうしても…って人は店の電話に架けてきて
「シオ出勤してる?」
ってのも何度かあった。
重たい空気の中、控え室の席に座り
携帯を握る手を見つめてた。
仕方なし
携帯を開くと
3時間程放置していた携帯は鳴りまくってたようだ。
メールを開くと
客、客、客…。
着信を開くと
客、客、客…
!!!!!
【22:13 090228XXXXX】
知らない番号からの着信。