誰よりも遠い貴方…





3月も終わり。
もう春が来るのに
深夜の外はまだ肌寒い。
でも、その肌寒さが今の私には心地良かった。





一人。

沢山のバースデーメールを見ながら

…23歳を迎えたんだぁ。
と実感。

……この年までに私は
何を得て
何を失ってきたのか


多分、数え切れないものを
得て…失って…の繰り返しだったな…
失ったものを考えると
私の頬に泪が流れていた。






その時。






「シオチャ〜ン」



と呼ぶ声。





私は泣いているのを誰にも見られなくて返事をしない。





でも、その声は続く。



「シオチャ〜ン」



「シオチャン、どこぉ〜?」





声がどんどん近付いてくる。










顔を上げた私と
目があったのは





………ハル…くん。
< 7 / 81 >

この作品をシェア

pagetop