甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

   「間違いないよね」

   「えーと、それは......」



 言葉につまり俯いたフィーネの顎は、やすやすと持ち上げられ、
 ユアンの唇がフィーネの唇にかさなる。

 最初は食むように、でもすぐにキスは深くなった。

 触れるだけじゃない、深く繋がろうとするキス。

 まだ誰も知らないフィーネの奥にまで、ユアンの与える熱が入りこむ。

 深く、長いキスからやっと唇を解放したユアンは、フィーネの頬を撫で
 ながら目を細めた。



   「僕もいろいろシタけど、こういうのもいいね」

   「?」



 縛られたままだから身体の自由がきかなくて、熱い息を乱し、くったりと
 ユアンにもたれかかったフィーネは、言われたことの意味がわからず、
 首を傾げた。

 そんなフィーネの腰をさらに引き寄せ、覆いかぶさるように身を乗りだした
 ユアンは、妖しい視線でフィーネを捉えたまま、鼻がふれるほど顔をよせた。



   「縛られたままスルっていうのもね」

   「へっ?」



 間抜けた声を上げたフィーネは、ユアンの指先で首筋つーっと撫で上げられて
 やっとユアンの言葉を理解した。



   「ちょっと!」

   「いいじゃないか」

   「よくないわよ」

   「駄目だ、理性は保てそうにない」

   「や、駄目 !......この、変態!」



 
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