甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

 ベッドの上からユアンを睨みつけているフィーネと、そんなフィーネに
 むかって苦虫を噛み潰したような顔をしているユアンを見比べていた
 男は、自分に分があると思ったのだろう。

 近づいてくると、馴れ馴れしくユアンの肩に手を置いた。


   
   「おいおい、兄ちゃん、適当なこと言って割り込むんじゃねえよ
    そんなにこの女を抱きたいなら、俺がすんでからにしな。
    なんなら、そこで見てればいいさ」

   「生憎、人のsexを見物する趣味はない」


 
 ユアンの言い方は男を苛立たせたらしく、男は顔を歪めるとユアンを押しのけ
 ようとした。


 
   「どけよ、ぼうず」

   「嫌だね」

   「なんだと!」


 
 とうとう男は、ユアンの胸ぐらを掴みあげた。

 細身のユアンに対して男は雄牛のような身体をしている。

 フィーネは息を呑んだ。

 絶対、敵いっこないわ!ユアンがやられるに決まってる。
 
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