甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋
仕事ってなんだろう、ユアンが仕事?
だって、あなたは結婚詐欺師でしょ
「仕事って......結婚詐欺?」
「酷いな、それが仕事のわけないだろ」
ユアンは酷く不服そうな目をフィーネにむけた。
「だって」
「まぁ 君にそう思われてもしょうがないか」
そう言いながら包帯を巻き終わったユアンは、フィーネにむかって
にやりと口角を上げて笑うと、ぽつんと呟いた。
「劇作家だよ」
「は?」
「仕事だよ、芝居のための脚本を書いてる」
ユアンの言葉にフィーネは目を瞬かせた。
脚本......
ここに連れてこられた次の日に、娼館の女の子たちがユアンにお話を
ねだっていたのを思い出す。
”それが次のお芝居になるの?” たしかそう、女の子の一人が聞いていた。
「え? え、えーーー?!!」
フィーネの大声にくすっとユアンが笑った。