甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

 買い物もすみ、食事もすませればすぐに帰るのだと思っていたのに
 ユアンはマーケットにも寄ろうと言いだした。


   「もういいわよ、ずいぶんお金を使わせちゃったもの」

   「気にする必要はない」


 ユアンはそう言うけどフィーネは気になる、でも、フィーネを無理やり身
 一つで連れてきたのはユアンだからこれぐらいいいのかしら。

 信じられないようなことをフィーネにして、意地悪な言い方をするかと
 思えば、気遣ってくれたりする。

 昨晩もフィーネを助けてくれた。

 本当に掴みどころのない人。

 あんなにフィーネを放っておいたくせに、店員の前ではまるで夫か恋人
 のように振舞ってみせる。

 整った容姿、完璧なエスコート......その結果、店の女の子の羨望の眼差しが
 フィーネに集まる。

 そうしてフィーネが戸惑うのを、ユアンは楽しんでいるかのようだ。





 
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