甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

 オ. ム. レ. ツ!  フィーネの大好物だ。

 フィーネはごくんと唾を飲み込んだが、まだ慎重に相手から距離をとったまま
 返事をした。



   「ありがとうございます。 でも、あなたはいったい誰ですか?」



 男の人はきょとんとした顔をしたが、すぐに顔じゅうに笑顔
 を広げた。



   「そうだね、初対面じゃないけど、自己紹介はまだだった。
    俺の名前は、セオ。 ユアンの古くからの知り合いだ」



 そういえばと、フィーネは思い出していた。

 最初にここに連れてこられたとき、この人にぶつかった、ユアンはこの人を
 セオと呼んでいた、それに、今フィーネが使っている部屋はセオの部屋だと
 言っていた。



   「あ、私、あなたの部屋をとってしまって_ _」

   「それは問題ないよ、フィーネ」



 どうやらセオは、フィーネのことを知っているらしい。
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