甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

   「ちょ、ちょっと待って、どうして私が採寸されなきゃ
    いけないの!」

   「いいから、すぐに済む」

   「そういうことじゃなくて!」

   「胸が小さいことは気にしなくていいから」

   「なに言って! やだっ ちょっと!」

   

 ユアンの力は緩まない。

 抗ったのに、無理やりおしこめられ、すぐにカーテンが閉じられる。

 閉じられたカーテンの向こうからユアンがこともなげに言う。


   「ドレスを脱ぐんだ」

   「嫌よ!!」


 フィーネは即座にそう答えた。

 カーテンで遮られているとはいえ、すぐそばにユアンがいる。

 そんなところで、ドレスを脱げるものですか!

 それに採寸される理由がわからない。


   「そうか......」


 大きなため息とともに、再びユアンの声がした。


   「じゃあ、僕がそっちに行って脱がせるよ」


 なんですって!?

 フィーネは固まった。

 あまりの言葉に言いかえすことも出来ず、口をぱくぱくさせていると
 目の前のカーテンが動き、フィーネはぎょっとなってカーテンに飛びついた。

 開けられまいときつくカーテンを握る。


   「だめよ、開けないで!」

   「でも自分じゃ脱げないんだろ」


 違う、そうじゃないでしょ! そんなことは言ってない!!!!

 向こう側でユアンが引っ張っているのか、強くカーテンが動くので
 フィーネはたまらず、カーテンを握りしめて大声をあげた。


   「わ、わかったわ 脱ぐから! だから入ってこないで!」

 

 
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