甘い罠には気をつけて❤︎ 俺様詐欺師と危険な恋 

 なんだか酷くみじめな気分だ。

 言葉は間違っていたかもしれないが、自分の素直な気持ちを
 精一杯言ったのに。

 ドアを開けたところで、



   「フィーネ」



 と自分の名を呼ぶ声が聞こえて振り返ると、めずらしく戸惑ったような
 表情で、ユアンはフィーネの方を向いていた。

 そしてひどくゆっくりと口をひらく。



   「僕がいない三日間、君と......セオは......」

   「?」



 やっと話し始めたと思ったら、ユアンの言葉は意味不明だ。

 その上、全部言うつもりはないのか、途中で言葉を切ると悩んだように
 眉間にしわを寄せ、また黙りこむ。

   一体、何なの!!


 フィーネのどこかで ”ぷちっ" と堪忍袋の尾が切れる音がした。



   「あなたがいなかった三日間、セオだってほとんどいなかったわ、
    私は、一人だったの!」



 そう大声で言い捨てると、部屋の外へ一歩大きく踏み出し、フィーネは
 ものすごい勢いで、ドアを閉めた。
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