ウソカノ
小学三年生の時。

唐突に言われた。

『お母さんとお父さん。離婚するから』

「「え?」」

ここで、麻依と声がハモった。

『待って!何で離婚するの?』

パニックになり掛けながらも、涙をこらえながらも、必死に聞いたあの時

『父さんが借金抱えたんだって』

淡々と顔色ひとつ変えず言った母さんに怒りを覚えた。

『何で!母さんはそんなにっ、落ち着いてるの?』

何で何だろう。

当たり前にあったものが壊れた。

それで辛いはずなのに。

なぜ、母さんは普通に言っているんだろう。






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