ウソカノ
突然、ガタッと後ろの方で音がした。

「センセー!俺解けまーす!」

そう言ったのは…賢だった。

「おう…じゃぁ、北本解いてみろ」

「はーい」

そう言って、意気揚々と歩いて来た

「高森はもう戻って良いぞ」

「はい」

でも…ラッキーだったけど…賢って頭良くないでしょ…

「センセー。これで良いっすか?」

さらさらっと解いてドヤ顔を見せながら先生に聞く賢。

「…北本ぉ。何が俺解けますだ。一から間違っとるぞ!」

その瞬間、ドッと笑いに包まれる教室と、からかう声が聞こえる。

「賢、カッコつけすぎっしょ!」

「北本くん、やだぁ〜」

賢…わざわざ助けてくれなくても良かったのに。

なんで、あたしなんかを。

どうでも良い存在でしょうが。

あったとしても〝自分の彼女の妹〟っていう存在でしょうが。

なんでよ…

あんたへの…賢への…気持ちを忘れることが…できないじゃない。











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