ウソカノ
バタン!と自分の部屋に戻った

…悔しいよ。

どうして…どうして、賢の彼女がよりによって…麻依なの?

どうして…どうして、麻依…どうして?

悔しい、その言葉が頭の中を駆け巡る。

…あたしは可愛くない。

知ってる。

麻依は〝私〟、あたしは〝あたし〟。

それだけでも…十分女子らしく思えるし。

私服だって、麻依はスカート、あたしはズボン。

知ってる。

麻依は完璧な女の子だよ…。

だから、告白したら、百発百中だよ。

良いな、良いな。

羨ましいよ…






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