大嫌いなはずなのに!
メロンパン
うわぁぁぁぁ!!!

ドーンッと私の目の前に立ちはだかる大きな
デパート

「私の町、田舎だからこんなおっきいお店ないよ!初めて見たー!!」

私はきらきらした目でワクワクしていた

「お前ホントガキだな」


な!なによー!ほんとさいてーね!


あ!


「きゃあ!何あの可愛い店!」

「あー、あれはパンケーキの店だよ。
女子つてあーゆーの好きだよな」


へぇー、すごい美味しそう

「なに?食べたいの?」


「いや!そんな!今日は買い出しだし!」

「あの、美緒さん。顔に食べたいって書いてありますけど」


え!


それから


パシャパシャ!

シャッター音が店に鳴り響く

「きゃあ!こんな可愛くて美味しそうな
パンケーキ見たことないよ!」


「良かったですねー」

なによー!なんかほんと田舎人みたいで恥ずかしいじゃない!
ま。そうなんだけど。

ん?

「猛は食べないの?」

「んー、俺は良いよ、美緒の見てるだけで腹いっぱい」


ふーん、何それー

「一口あげるよ」


「は?いいよ」

「いいって!この前助けてくれたお礼に!」


「あー、じゃー、」

パクッ

「どー?」

「うまい」

よかったー!って、なにしとんねん!!

こんなのどっからどーみても、学校帰りのイチャラブカップルやないかい!!

しかもこのあと私がパンケーキ食べたら間接キスになるじゃん!!!


ぎぁぁぁ!!

恥ずかしいことをやっと気づいた。


「はぁー!美味しかった~」

「そりゃよかったですね~」


「ふふふ!文化祭で使うものもちゃんと買ったし!これで大丈夫だね!」

「おー」

「じゃ私駅あっちだから、じゃあね」


ん?って

「何?猛あっち家でしょ?」

「やー送るわー」


...こいつほんとなに、1ヶ月パシリとかいっといて、なんでこんな優しいわけ??


「いいよ、荷物重いだろうし」

「また、襲われると大変だろうから」



...。


結局送ってもらってしまった。

「もうあと電車くるまで10分くらいだから
帰って大丈夫だよ?」


「俺命令だから。電車乗るまで見送る」


なにそれ。

なんか、かっこつけすぎじゃない?

すごい、胸がドキドキするんですけど。
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