大嫌いなはずなのに!
人気者のあいつ
「ふー、やっと終わった」

私はぐーっ!と背伸びをした。

ガヤガヤガヤ

ん?廊下なんか騒がしいな

近寄ってみると

ん!?


猛が、沢山の男子や女子に囲まれている。

"猛くんちょーイケメーン♡"
"猛〜今日うちらとカラオケいかない⁇"
"猛ー!メアド教えてー!"
"猛くーん彼女いないの?"
"猛うちと付き合ってー!"


ちょ!なにあの人気!幻!?

私は目を擦った

「猛すごいモテモテだよね〜(笑)男子からも女子からも好かれんだよね〜猛って」

愛美は日常茶飯事みたいに
醤油とって〜の感覚で言った


あんな性格悪いくせして!なんで人気者なのよ!ひどすぎる!神様はなぜあいつを人気者にしたのよ!

もー!私はその群れの横を通り過ぎようとした

「美緒〜‼︎」

猛が手を振ってこっちを見てる

ちょ!やめて!つかなんで呼び捨てで呼んでんのよ!
女子たちの目線が痛い…

私は無視して通り過ぎた。

「美緒ちゃんいいの?無視しちゃって」

「いいのよ、別に友達じゃないし、」

そうよ!あんなやつ!大嫌いなんだし!


「みーおー」

え!?振り返ると猛がいた


「ちょ!なに!?ストーカーなの!?
つか他の人達と話してたんじゃないの!?
あと!その呼び方やめてよね!!」

私は怒鳴った。

「えー?なにー?むにきなってんの?
あ、まさかヤキモチですか⁇ぷぷぷ」

は!?なに!?やきもち!?なわけ!

もーー!調子狂う!

「もー!なんなのよ!私今から帰るの!
用あるなら早く言って」

「ジュースって言ったよねー?」

げ、忘れてた、

「えっと、、」

「美緒ちゃん、うちそろそろ帰るね」

え!ちょっと!愛美ちゃん!二人きりにするつもり!?

「そっかー!んじゃね〜愛美〜」

ちょ!なにテキトーに返事してんの最低男!

しょうがない

「うん!わかった!じゃあまた明日ね!」

私は愛美ちゃんに手を振った


と、さてさて、

「あのね、私はパシリじゃないの!自分で行ってよね」

「あの事ばらしてもいいのね?」

「いいわけないじゃん!」

気づくとそこは自販機の前

はぁ、1ヶ月なんて無理。

猛から、500円玉をもらい自販機に、入れた

「でー?どれにすんのー?」

「なっちゃん」

ピッ

ガタガタン

「はいどうぞ」

冷え冷えのジュースとお釣りを渡した

「どもー、あ、そのお釣りで美緒もなんか買えよ」

え!?

「いいよ!そんな」

まさかなんか企んで…

「これから1ヶ月パシるし、そんくらい奢ってやる」

え、え、なにこいつ。
本当は結構いいやつ?いやいやいやないないない!!!

まあ、

「ごちそうさまです」

私は自販機にお釣りを入れた。
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