夢みるHappy marriage
あまり話したくなさそうな雰囲気だったから、その話はそこで終わった。府中のちょっと先まで来て、頑なに家までは良いという彼女に家の近くで下ろした。
「送ってもらってありがとうございました」
「いや、家まで気を付けてな」
「はい」
そう言って深々と礼をする彼女。
だけど、彼女にはまだ隠していることがあった。
仕事がやりやすくなるっていうだけで、無理矢理バディなんていう役割を設けないこと。
奥森の言う通り、そもそもそんな役割必要としていないこと。
ただ、桜井に近づきたかった、ただ、それだけだったということを。