夢みるHappy marriage
引き寄せる餌といってはなんだけど、ちーちゃんを連れて行くことに。
クズアキにバレないようちーちゃんを婚活パーティーに誘い、当日の仕事終わりには彼女を早々にとっ捕まえ、会場の近くにある有料のメイクルームへ連行した。
女優鏡の前に座らせると、煌々と顔を照らすライトが眩しいのか、眼鏡越しの丸っこい目をパチパチさせて瞬きをしている。
これだけの照明を当てられてるのに、白い肌にはくすみ一つ見当たらない。バサバサの長いまつ毛がもったいない。
「ちーちゃん、ちょっとお化粧しても良い?」
「はい?」
「まずは顔を洗ってこようか」
言わるがまま洗面所へ向かうちーちゃん。私はというとその間、化粧品慣れしていないちーちゃんに合わせて低刺激性のスキンケア用品を借りに行く。そして使う化粧品を一式、次から次へとカゴへ放り投げて行く。
もちろん自分の手持ちの物も使うが、そもそも肌の色が違うし似合う色も全然違う、これだけじゃ全然足りない。
ちーちゃんの肌はブルーベースだから、少し血色を良く見せるために、ピンク系の下地を使っていく。
肌質的に乾燥肌っぽいから、保湿性があってツヤ感の出るリキッドファンデが良い。
有名メーカーから高級メーカーのものまで、次から次へ手に取り伸ばし吟味していく。あれだけ白く綺麗な肌をしてるのに、ファンデでくすませてなるものかと。
仕事中は基本パウダーファンデだけど、特別な時は絶対リキッド+フェイスパウダー。
一番肌を綺麗に見せて持ちが良い気がするから。
そしてチークやリップの色もブルーベースに似合う色を、大人っぽくなり過ぎないように少女らしさを残せるような色を選ぶ。
あくまでも元のパーツを生かして、アイシャドウにはほとんど色味のないものを。目のキワに極細で黒色のアイラインを引きぼかして馴染ませる。ダマにならないよう、黒いマスカラを付けて熱したビューラーでしっかり根元からカールさせるが、あくまでもふんわりと自然に。
チークは悪目立ちしないよう、肌に馴染みの良い少し青みがかったピンクベージュ。リップも寒色寄りのローズピンクを。
元から綺麗な肌だけど、色の選び方で一層透明感が出る。