夢みるHappy marriage
赤坂見附駅前にあるエクセルホテル西急。
会場はそこの2Fのイベントホールで行われる予定になっている。
会場の入り口のへ行くと、スタッフに声をかけられた。
「こちらで受付をお願いします。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「はい、桜井です」
「桜井絢奈さんですね。それでは1500円いただきます」
紙にカタカナで羅列する参加者の名前、その横には徴収する金額が書かれていた。
人それぞれ払う金額が違う。例えば今日なんかは、女の子の名前の横に金額が書かれず空白になっているところがある。
いつもよりその空白が多く、肩を落とした。このパーティーに無料で参加できる子が多いってことで、年齢が25才以下で、スタッフから是非と招待されているようなレベルの女の子が多いってことだ。
年齢制限ギリギリの私にはしょうがないことだけど、今回の婚活パーティーはなかなかシビアな戦いになりそうだ。
「えっと、お友達の白坂さんですか?パーティーは初めてですよね?身分証のご提示お願いします」
「あ、はい」
そう言って、チラッとちーちゃんの顔を見て、
「……23才ですね、25才以下の方は無料になります。どうぞこちらがご自分の番号になります」
そう言われて、私は9番、ちーちゃんは10番のバッヂを受け取った。あーあ、若いって良いなぁ、それだけで優遇される市場だからな。
まぁ結婚相手として、女性には出産年齢には限界があるし、若いことには越したことないんだろうけど
「今回参加される男性側のプロフィールになります。どうぞ中でお飲み物を用意してますので、飲みながらそちらをご覧になってお待ちください」
もらったプロフィールを片手に、会場へ入る。
するとそこには、すでに何人か壁に沿って置かれた椅子に座ってパーティーが始まるのを待っていた。ぐっと高まる緊張感。そのままちーちゃんを連れて、ドリンクコーナーへ行く。
「ちーちゃん、何が良い?」
「た、タダなんですか?」
「もちろん」
「じゃ、カシスオレンジにします」
そう言って、ピンクコーラル色の飲み物を手に取った。私はというと、白ワインを選んだ。