夢みるHappy marriage


あたりをぐるっと見渡すと20人弱ってとこだろうか。
今日は15対15、30人程で行う予定になっている。

私達も椅子に座ってパーティーが始まるのを待つ。もらったプロフィールを見ると、それぞれ15人の男性の苗字、職種、年齢、身長が任意で載っている。それぞれサイト登録時に入力する項目で非表示にすることもできるものだ。

ワイングラスに一口、口を付けてプロフィールを見る。
まず最初に確認するのは年収の欄。

上から下へ目線を移していく。1番から1800、えー次が1000、1000、1200、1500、お2400。
とりあえず、1番と6番はチェックと番号をボールペンで丸で囲む。

えー、1300、1000、12000……

いっ、い、1億2千!?

あれっ?間違え?
0、一個多くない?

見間違えじゃないよね、いち、じゅう、ひゃく……、マジで?

ついに億万長者と会えちゃうの?

もう狙い目ここしかないでしょっ、番号は9番ね。
って私も9番じゃん、運命感じちゃう。


不審がられない程度に参加男性の胸元のバッヂに意識を集中させる。

9、9、9、9、9!

……あれ?いなくない?

それから待てどくらせど9番の男性は現れず、パーティーは始まってしまった。

まぁいいや、初めて億万長者に会えるかもって一瞬期待したけど、それ以外の人だって全然遜色ない。

パーティーが始まると、ちょうど近くにいた二人組の男性に声をかけられた。

「始めまして、お話良いですか?」

「はい」

そう言ってにこっと返す。

「こういうパーティーはよく来るの?」

「いえ、今回が初めてなんですけど。なんかどうしたらいいのかよく分からなくて、緊張してます」

そう言って猫かぶる私、隣からえ?っというようなちーちゃんの視線を感じた。


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