夢みるHappy marriage
それでも、それが間違いだって言うなら、聞き分けの良い女なんていくらでも演じられる。
「……いいよ、分かった、榊原さんなんて嫌い。これでいいんでしょう?こういうことなら、もう婚活するなって言えないよね?」
「……あぁ」
「お好きにどうぞ、遊んでください」
って、言ったのに結局それから何もしないし。
せっかく人が開き直ったっていうのに、いつもの抱き枕にさえしなくなった。
そして私に背中を向けて眠るように、私も元々あてがわれていた部屋で寝るようになった。
そして、レセプションまであと数日というところまで迫った頃、会社で中川さんに声をかけられた。
「桜井さん、招待状の追加したい人がいるんだけどお願いできる?これ宛先ね」
「はい」
そう言って受け取った、しかしその宛先を見て驚く。
「え、川村正吾……?しかも宛先、榊原さんの職場と同じって」
ありふれた苗字と名前かもしれないけど、それでも同姓同名って。
しかも榊原さんと同じ職場って一体どういうことなの?