葉擦村
この村では、こうした制度が17世紀頃から何百年も続いていたという。

こうした男は『おじろく』、女は『おばさ』と呼ばれ、家庭内の地位は戸主の妻子以下、戸籍簿には『厄介』と記され、村人と交際もせず、村祭りにも出られなかった。

こうしたおじろく、おばさは結婚もせず、近所の人と交際する事もなく、話しかけても返事もしないが、家族の為によく働いて不平も言わなかったという。

怒る事も笑う事もなく、無愛想で趣味もない。

親達も、長男以外はおじろくとして育てるのが当然だと考えていたので、別に可哀相に思う事もなかった。

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