葉擦村
上司は明かりのついた家の前で車を停め、意を決して車を降りるとギョッとした。

暗がりに、恐らくは10人以上の村人が立っていたのだ。

村人は老人ばかりで、一様に睨み付ける顔付きからして、明らかに歓迎されていなかった。

1人が大声を出す。

すると他の村人も続けて叫び出した。

何しに来た、帰れ他所者!

泥棒!

…は、やらないぞ!

やらんぞ!帰れ!

尋常じゃない空気に圧倒され、上司は車に舞い戻り、アクセルを踏んだ。

村人は、上司を追い返そうとしているだけのようで、追ってくる様子はなかった。

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