ウェスター国戦師(いくさし)の書。2~優しい後悔~
枯れた涙
……頼むから、今はそんな顔をしないで欲しい。
只でさえこっちもいっぱいいっぱいなのに、そんな目で見られたら……胸の内の弱いものを全部吐露してしまう、だけじゃすまない気がする。
「……来るの、遅えよ」
ようやくそれだけ言った。
彼女は、言葉を見つけられないようだ。
仕方ないから、こちらから言葉を続ける。
「昨日も夕方だったよな、屋上で」
場所は……違うけど。
ここは、ウェスター国中央病院の屋上だ。
そう……屋上。
ここにいれば、彼女ならここを捜し当てて来てくれると思ったからだ。
だから、ここで待っていた。
彼女は走って来てくれたのだろう、息があがっていて顔も真っ赤だ。
……いや、顔が赤いのはまた別の理由か。
「……~っ」
彼女が、涙腺の堰をきった。
「お前が泣くなよ」
「だっ……だって……っ」
「頼むから」
涙は……見飽きた。
なのに、自分からは流れてはこない。
枯れてるのかもしれない。
「……ひどい顔、してる」
彼女が、ぼそりと言った。
「お前がか?」
「違う、シンラが、よ」
「……かも、な」
彼女が隣にしゃがみこんだ。
春の夕方だ、そういえばかなり冷え込んできた。
只でさえこっちもいっぱいいっぱいなのに、そんな目で見られたら……胸の内の弱いものを全部吐露してしまう、だけじゃすまない気がする。
「……来るの、遅えよ」
ようやくそれだけ言った。
彼女は、言葉を見つけられないようだ。
仕方ないから、こちらから言葉を続ける。
「昨日も夕方だったよな、屋上で」
場所は……違うけど。
ここは、ウェスター国中央病院の屋上だ。
そう……屋上。
ここにいれば、彼女ならここを捜し当てて来てくれると思ったからだ。
だから、ここで待っていた。
彼女は走って来てくれたのだろう、息があがっていて顔も真っ赤だ。
……いや、顔が赤いのはまた別の理由か。
「……~っ」
彼女が、涙腺の堰をきった。
「お前が泣くなよ」
「だっ……だって……っ」
「頼むから」
涙は……見飽きた。
なのに、自分からは流れてはこない。
枯れてるのかもしれない。
「……ひどい顔、してる」
彼女が、ぼそりと言った。
「お前がか?」
「違う、シンラが、よ」
「……かも、な」
彼女が隣にしゃがみこんだ。
春の夕方だ、そういえばかなり冷え込んできた。
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