ウェスター国戦師(いくさし)の書。2~優しい後悔~
「……お母さんの。
死に目に……あえなかったんだ……」
上目つかいで遠慮がちに言われて、ふと気がつく。
「……いや。
んなこたねえよ……や、今までの説明じゃそう聞こえるか、ん……わり。
俺も平常心モードじゃねえしさ、うまいこと話せねえんだよ」
「?
だってシンラ、倒れてたんでしょ」
「ん~……でも俺。
母さんを見送った覚えがあるんだよな。
夢だったんかな……それにしちゃ都合よすぎだけど。
起きてから、母さんが死んだって聞いた時も、違和感なかった」
「……?
うーん……お母さんもシンラも意識なかったから?
……だからかえって、お互い深いところで通じ合ったのかな……って、なんかちょっと、そう考えるとすごくない?」
彼女は、突拍子もないことを嬉しそうに言った。
案外、ロマンチストらしい。
薄く笑ってやった。
「なにか、お話とか出来たの?」
言われて、思考をあの夢みたいな空間に飛ばす。
夢かうつつか、はっきり分からないモヤモヤとした記憶。
「……俺のご都合的な夢、だと思ってたんだけどな。
母さんも同じ思いだったとしたら……嬉しいけど、ちぃと恥ずいな」
死に目に……あえなかったんだ……」
上目つかいで遠慮がちに言われて、ふと気がつく。
「……いや。
んなこたねえよ……や、今までの説明じゃそう聞こえるか、ん……わり。
俺も平常心モードじゃねえしさ、うまいこと話せねえんだよ」
「?
だってシンラ、倒れてたんでしょ」
「ん~……でも俺。
母さんを見送った覚えがあるんだよな。
夢だったんかな……それにしちゃ都合よすぎだけど。
起きてから、母さんが死んだって聞いた時も、違和感なかった」
「……?
うーん……お母さんもシンラも意識なかったから?
……だからかえって、お互い深いところで通じ合ったのかな……って、なんかちょっと、そう考えるとすごくない?」
彼女は、突拍子もないことを嬉しそうに言った。
案外、ロマンチストらしい。
薄く笑ってやった。
「なにか、お話とか出来たの?」
言われて、思考をあの夢みたいな空間に飛ばす。
夢かうつつか、はっきり分からないモヤモヤとした記憶。
「……俺のご都合的な夢、だと思ってたんだけどな。
母さんも同じ思いだったとしたら……嬉しいけど、ちぃと恥ずいな」