ウェスター国戦師(いくさし)の書。2~優しい後悔~
モモが隣り合ってる側……右腕に両手を重ねた。
知らず知らずに俯いていたことに気がつく。
顔をあげると、心配そうな顔とぶつかった。
その視線が、今は痛い。
彼女は言葉にはしないけど『大丈夫?』と聞かれてる。
……たまらなくかっこ悪い気がした。
「……わり、平気。
ん、二人がな。
振り返ったんだよ、俺の方を」
夢だから……自分の希望が反映されたんだろうけど、そう言葉を足しておいた。
「顔はよく見えなかったってーか……なんでだかあんまり覚えてねえんだけど。
笑ってくれてたってことはしっかり覚えてる。
で、手ぇふってくれた、大きくさ。
……そこで目ぇ覚めたんだ。
嬉しかったんだか、逝かないでほしいってんだか、そういうの考えてる暇なかった。
起きたら起きたでリンが泣いてたからさ……」
……後でケイゾウに聞いた話だけど。
ここら辺までは、城の皆に見事に筒抜けだったらしい。
アカネはこの辺りで例の盗聴器の電源を落としてしまったとか。
全く……ウーさんの手回しには、つくづく恐れ入る。
知らず知らずに俯いていたことに気がつく。
顔をあげると、心配そうな顔とぶつかった。
その視線が、今は痛い。
彼女は言葉にはしないけど『大丈夫?』と聞かれてる。
……たまらなくかっこ悪い気がした。
「……わり、平気。
ん、二人がな。
振り返ったんだよ、俺の方を」
夢だから……自分の希望が反映されたんだろうけど、そう言葉を足しておいた。
「顔はよく見えなかったってーか……なんでだかあんまり覚えてねえんだけど。
笑ってくれてたってことはしっかり覚えてる。
で、手ぇふってくれた、大きくさ。
……そこで目ぇ覚めたんだ。
嬉しかったんだか、逝かないでほしいってんだか、そういうの考えてる暇なかった。
起きたら起きたでリンが泣いてたからさ……」
……後でケイゾウに聞いた話だけど。
ここら辺までは、城の皆に見事に筒抜けだったらしい。
アカネはこの辺りで例の盗聴器の電源を落としてしまったとか。
全く……ウーさんの手回しには、つくづく恐れ入る。