ウェスター国戦師(いくさし)の書。2~優しい後悔~
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「……」
「……おーい……、聞いてるかー、シンラ~……」
「え!?
いや、その、なんだ……わり、聞いてなかった」
「も~……モモの話題を振った俺が悪かったよ。
頼むから回想や空想の類は、一人の時にやってくれ」
「はは……羨ましいか。
お前も早く、ノーゼンの王女にさ。
もっとアタックしたらいいのに」
「なっ……ばばば、馬鹿やろ、なな何言ってんでぇ!
スミとは、そんな……!」
「……分っかり易いなーお前も。
その分じゃ、手ぇ握ったことすらねえな?」
「てっ……てて、そんな、手ぇ握るだなんて、どどどうやって……」
……誤魔化す時は、この手に限る。
あ、ちなみにノーゼンとはウェスターの近隣国で、そこの王女スミカにケイゾウは惚れている。
技術に特化したその国では、まだ王様世代の現役王がバリバリに元気だけど、次期王位は多分、王女の兄である王子が継ぐだろう。
傍目から見ていても、まあ……王女は全くケイゾウに興味がない、とは見えない。
割といい感じだと思うのに……ケイゾウの奴は変なところがヘタレてるというか、押しが弱すぎるように感じる。
そして彼は、これしきの煽りで必要以上に焦ってしまい、おそらくは動揺を隠したかったんだろうけど、手に持った牛乳を一気にクイッと……って、彼は猫舌だ。
結果はまあ……御多分に漏れず。
「どわあぁあぁあ、あっ……ち~!!」
「……馬鹿だな、ほんと……」
「……」
「……おーい……、聞いてるかー、シンラ~……」
「え!?
いや、その、なんだ……わり、聞いてなかった」
「も~……モモの話題を振った俺が悪かったよ。
頼むから回想や空想の類は、一人の時にやってくれ」
「はは……羨ましいか。
お前も早く、ノーゼンの王女にさ。
もっとアタックしたらいいのに」
「なっ……ばばば、馬鹿やろ、なな何言ってんでぇ!
スミとは、そんな……!」
「……分っかり易いなーお前も。
その分じゃ、手ぇ握ったことすらねえな?」
「てっ……てて、そんな、手ぇ握るだなんて、どどどうやって……」
……誤魔化す時は、この手に限る。
あ、ちなみにノーゼンとはウェスターの近隣国で、そこの王女スミカにケイゾウは惚れている。
技術に特化したその国では、まだ王様世代の現役王がバリバリに元気だけど、次期王位は多分、王女の兄である王子が継ぐだろう。
傍目から見ていても、まあ……王女は全くケイゾウに興味がない、とは見えない。
割といい感じだと思うのに……ケイゾウの奴は変なところがヘタレてるというか、押しが弱すぎるように感じる。
そして彼は、これしきの煽りで必要以上に焦ってしまい、おそらくは動揺を隠したかったんだろうけど、手に持った牛乳を一気にクイッと……って、彼は猫舌だ。
結果はまあ……御多分に漏れず。
「どわあぁあぁあ、あっ……ち~!!」
「……馬鹿だな、ほんと……」