レギンレイヴ -Reginleif-
第二章
~想いと共に~
あれから私は、入隊するにあたっての説明等を受け、辺りが暗くなったからとの理由で、ルイが馬のオルフェを引いて私を送ってくれている。
「ルイ、本当に大丈夫?
お城の皆が心配してるんじゃ…」
「大丈夫だよ。
私は子供ではないし、仮にも軍属となった身だ。
それに、姫をお護りするのは王子の役目…だろう?」
片目を瞑る仕草でそう語るルイが、凄く似合っていて笑ってしまった。
「クスッ…
ルイって本当に王子様だね」
ルイがそれを聞くと悲しそうな顔をして、手綱を離し私の頬に触れてきた。
「君もお姫様だよ。
私だけの可愛い姫だ…」
ルイはそう言うなり、私を優しく抱き締めた。
「ルイ…」
私とルイは見つめ合い、そして、目を閉じ、唇が重なりあった…
重なりあった唇を離すと、ルイは再び私を抱き締めた。
今度はきつく、強く、離れぬようにと──
「この三年、君は一人で頑張ってきたんだね…」
これに私は頭を横に振った。
「いいえ、一人じゃないわ。
私には、ヒューゴもオルフェもいてくれたから…」
「そうか…
ヒューゴって君の父上の側近だったヒューゲルト・ライニッヒ?」
ルイの質問に私は頷いた。
「ええ。
ヒューゲルト・ブラント・ライニッヒ。
それで、彼のミドルネームを今の私とヒューゴのファミリーネームとしたの。
そうだ!
私がルイを連れっていったらきっと驚くわ!」
「そうだね。
それじゃあ、行こうか」
ルイは離したオルフェの手綱を再度握り、私の家がある方角へと歩き出した。