離婚、しませんか?
「みちる」

耳朶を擽るように囁けば、「んんん……」と眉間に皺を寄せながら、身を捩りころんと上を向き、体の両側に腕を投げ出してそのまま眠り続ける彼女にくすりと笑み零れながら、その寝顔を間近に見下ろす。

ーーーああ。可愛い。

ミルクブラウンの艶やかな長い髪に縁取られた卵型の、化粧をしている時よりも幼く見えるその顔。
三歳年上だなんて思えない、あどけない寝顔。

あどけないのに、同時に、オレを誘っているかのように無防備なその姿に、見ているだけで体の一点に熱が溜まり腰の奥がずくりと疼く。
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