離婚、しませんか?
ダメだ。下手に刺激しちゃ。
こんな時にアレを降臨させちゃったらなにをされるか分かったもんじゃない。

「理由、教える、から……一旦降ろして?ねっ?」
「…………」

あ。疑ってる。

に、逃げないよ?
話も、するよ?

背筋に悪寒が走り抜けぶるりと震えるのを堪えつつ、ちょっぴり微笑んでみた……けれど。

人当たり柔らかそうな年下美形草食系男子、と我が友人達には白馬の王子さまの如くきゃあきゃあ騒がれているが、その実がっつり肉食男子な目の前の我が夫ーーー何度か罠にハメられペロリと食べられた私ですから、身を以て断言できますとも!ーーーが、ツヤツヤ桜色の唇を僅かに上げてフッと黒い笑みを浮かべた。


ひいいいいいいっ。

まさかの黒王子降臨ーーーーーーっ!?
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