離婚、しませんか?
ーーー愛おしい。愛おしさが溢れてしまう程の想い。


それは、他の誰にも抱いたことのない柔らかな感情。
同時に、心と体を支配する抑え切れそうにない激しい欲望。

いつまで待てばいい?
いつになれば彼女はオレを愛するようになる?

早く。

早くオレを好きになって。
オレを愛して。

そうでないとオレはもうーーー。

「ふ、ふふっ、んっ……」

ふいに耳に流れ込む軽やかな声に思わず顔を上げればそこには、眠りながらもクスクスと笑う彼女。

多分、オレの髪が彼女の喉元を擽ったせいなんだろう、無邪気に微笑むその顔に、オレの中の身勝手な願望も欲望も次第に鎮まってゆく。
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