離婚、しませんか?
「みちる……好きだよ。キミが好きだ」

卑怯なオレは。キミを失うのが怖いオレは。
眠るキミにしか告げられないでいる。



******



浅い眠りを繰り返して目覚めれば、カーテンの向こうは既に明るくなっていて。

オレのすぐ傍には、オレに抱きつき胸元に顔を埋めて眠る彼女の姿。
その近さに、彼女の醸し出す甘い香りに、激しく鼓動が高鳴る。

あぁーーーあの忌々しいヤツを放ったままだったのか。

いつもなら、また元通りにベッドの中央に置き直していたアイツはまだオレ達の足元に無様に転がったままだ。
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