離婚、しませんか?
そして結婚三ヶ月頃のある朝。
起き抜けに、唇を奪われていた。
二人の間の境界線にと縦に長ーーいクッションを挟んで、ベッドの端と端に寝ていた(そういう約束ですから)筈の夫に。
『寝惚けてた、ごめんね』と極上美形スマイルを放たれた瞬間、クッション排除の上ガッツリちゅー疑惑は霧散しコクコク頷いてしまった私。


その一ヶ月後のある休日の夜。
『知り合いから美味しいワインを貰ったから』と勧められ、アルコールかなり弱めな私ではあるがせっかくだし少しだけ……と、ソファにて高級ワインを堪能しつつ話題の豊富な夫のお陰で思いの外楽しく過ごし。
翌朝目覚めればそこは脱ぎ散らかした色とりどりの衣(きぬ)の海。
< 21 / 126 >

この作品をシェア

pagetop