離婚、しませんか?
それから、どれくらい泣いていたんだろう。

なにを、喚き散らしちゃったんだろう。

「……ぅ、っ、ふっ、……ひ……っ、くっ」

いい加減、これ、止めたいのに。
さっきから、ひっくひっくと煩い喉が盛大にしゃくり上げててどうにも止まらない。

ううううう。

アラサー女がグシャグシャに泣き崩れてる絵面なんてちっとも可愛くもないし寧ろ誰も見たくもないだろうけど、勝手に泣けちゃうんだから仕方ない。

「……ひぃ、っく、……ふっ……?」

さっきから微動だにせず固まっていた夫の気配があまりにも感じられなくて、もしかして、ビービー泣いて煩い私に呆れてもうどっかに行っちゃったのかと顔を上げてみたら。


ーーーいたよ。


四つん這いのままだった夫は今、同じその場所に座り込んで、いた。
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