エイプリルフールの夜に
「心…っ」
「んっ、ぁ、はぁん…っ!」

身体を繋げるとそれだけで頭が飛びそうになるほど気持ちいい。
心の両膝をもう少し開けるようにしてより密着させると腰を持っていかれそうな快感が駆け上ってくる。

「はっ…は、」
「んん、は、あっ」

お互いの息が荒々しくなってくる。
心の腰を支えて本能のままに揺さぶると、突く度に堪えきれないように彼女の口から甘い声が飛び出した。

身体を倒して声が出る唇を食むように口づける。
快感に溺れながら生理的な涙を浮かべておれを見る心の耳元に唇を寄せた。


「心…今日、つけて、ないんだけど、赤ちゃん、できたらどうする…?」


心を揺らしながら囁いて顔を見ると、一瞬目を丸くしたあと顔を真っ赤にして何かを堪えるようにおれを見つめ返した。

その顔はやばい。

「そ…な、あぁっ、ぁんっ」
「ちょ、やばい締まる…っ」

明らかに中の様子が変わり、堪えるのに必死になる。
その心の感じ方の変化に煽られ、腰の動きを早めて高みへと上り詰めるよう激しく心を揺さぶった。

「心…っ」
「ぁあ、んんっ、はぁ、あぁーっ!」

力尽きたように心の身体の上に倒れ込む。
汗ばんだ身体に浅い呼吸を繰り返して息を戻す。

腕で身体を支えるように心との間に隙間をつくり、顔を見ようとする。

「心、いつもより感じてた?」
「…っ!そ、なこと…」
「赤ちゃんできちゃうかもって思ったから?」
「言、わないで…っ」

両手で顔を覆うように隠す心はいつもより感じていると自覚があったらしい。
それが分かっただけで大収穫だ。

「心、ごめん、つけてないのは嘘」
「え…?っんぁ」

繋がったままの身体を離し、いつものように後処理をすると心は膨れたように顔を背けた。

「由鷹ひどい…っ」
「ごめん、でも心の反応が見たくて」
「ばか、知らない」
「ごめん、心…許して」

顔を隠す心の腕にちゅっちゅとキスを落としていく。

「騙した…」
「ごめん、でも感じてた心可愛かった」
「もう…っ!」

そう言って心はおれから逃げるようにシーツに潜り込む。

「こころー」
「知らないっ」

シーツにくるまった身体をその上から覆うようにぎゅっと抱き締めた。

「でも、良かった」
「………なにが」
「付けてなくても心が嫌がらないんだって」

そう言うと怒って力んでいた心の身体から力が抜けるのが分かった。
そして小さな声で呟く。

「…嫌なわけ…ない」
「心…」

愛しさが募ってさらにきつく抱き締める。

「心、ほんとに赤ちゃん作ろうか」
「っ!」
「今ならすぐできる自信ある」
「…今日はもうだめっ」
「えー、なんで」
「駄目なものはだめ!」

頑なに拒む心を宥めながらも胸は幸せに満たされていた。
エイプリルフールだからと唐突についてみた嘘に、可愛すぎて仕方ない奥さんのさらに可愛い一面が見れてしまった。

いつか、可愛い可愛い大好きな奥さんとの愛の結晶が生まれることを楽しみに、夢の中へと旅立つのだった。




-fin-




















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