始まらなかった恋
今日、由香利は委員会。 一緒に帰れない日。
私は一人帰ろうとすると中谷と仲良しの佐藤に声をかけられた。
「山岡っ!!!」
「佐藤? 何?」
「あのさ……また今度みんなで一緒にどっか行かね?」
「でも…」
中谷は友達に戻れないと言った。 佐藤が言うみんなの中に中谷がいるのなら私は行ってはいけないよね?
「中谷のこと気にしてんの?」
ハッキリと名前を出されてしまい、戸惑いながらも頷く。
「あいつとなんで話しなくなったんだ?」
「え?」
別れたこと知ってるよね!?
「友達に戻ればいいだけだろ? 別に付き合ってたって言ってもほんの少しの期間で気まずくなるようなことないんだから」
…それは、私と中谷が男女の関係がなかったのだから友達に戻るのは簡単だと言いたいのだろうか?
「中谷は元カノと友達に戻れないんだって。 私も…友達として側にいるのは、ちょっと…」
言葉を選びながら言うと、佐藤は目を見開いた。 何? 私、おかしなこと言った?
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