始まらなかった恋
「お前ら…… え? なんで別れたんだよ!」
何を思ったのか焦ったように佐藤が問う。
「なんでって…友達以上にはなれないって思ったからで…」
「友達以上に思えないなら、友達に戻るのが普通だろ? なんで友達以下になる必要がある?」
必要? それは、私が中谷の今後の恋愛を応援したくないからで…
でも、中谷はなんで?
「友達には戻れないって…」
「どっちが?」
「二人とも…」
「…お前らさ。 どっちもお互いを好きなのに、お互いが自分を好きじゃないって勘違いして別れたんじゃないか?」
「中谷は私のこと好きなんかじゃないよ!」
「俺もそう思ってた。 中谷から山岡を好きだなんて聞いたことなかったし。 けど、友達に戻れないなんて、それは好きだって気持ちがあるからじゃないのか?」
いつもふざけている佐藤の真剣な顔。 笑っていい場面ではないのだろう。
黙る私に佐藤は追い討ちをかける。
「自分が中谷を好きだってこと、否定しなかったって気づいてるか?」
と…
私の顔はきっと真っ赤になっていると思う。
熱くなった頬を隠したくて咄嗟に俯いてしまう。
何を思ったのか焦ったように佐藤が問う。
「なんでって…友達以上にはなれないって思ったからで…」
「友達以上に思えないなら、友達に戻るのが普通だろ? なんで友達以下になる必要がある?」
必要? それは、私が中谷の今後の恋愛を応援したくないからで…
でも、中谷はなんで?
「友達には戻れないって…」
「どっちが?」
「二人とも…」
「…お前らさ。 どっちもお互いを好きなのに、お互いが自分を好きじゃないって勘違いして別れたんじゃないか?」
「中谷は私のこと好きなんかじゃないよ!」
「俺もそう思ってた。 中谷から山岡を好きだなんて聞いたことなかったし。 けど、友達に戻れないなんて、それは好きだって気持ちがあるからじゃないのか?」
いつもふざけている佐藤の真剣な顔。 笑っていい場面ではないのだろう。
黙る私に佐藤は追い討ちをかける。
「自分が中谷を好きだってこと、否定しなかったって気づいてるか?」
と…
私の顔はきっと真っ赤になっていると思う。
熱くなった頬を隠したくて咄嗟に俯いてしまう。