始まらなかった恋
「好きだ」
抱きしめて、肩に乗る山岡の頭に唇を寄せた。
「山岡の周りに対する思いやりや気遣いに気づくたびにいい子だって思ってた。その好印象が好きって感情なんだって気づいた…俺は本当に山岡が好きだ。 ただ、俺は自分に自信がないから…だから山岡の気持ちが自分にあるなんて思いもしなかった」
俺への気遣いで付き合いを受け入れてくれただけだと思っていた。
「私…中谷がいつも見せてくれる笑顔が…特別に見えて…この笑顔が好きだって思って…付き合ってみる?って言われて本当に嬉しかったけど、付き合い方なんてわからなくて、だから中谷は私ではダメなんだろうって…」
一生懸命気持ちを伝えようとしてくれる山岡の台詞をただドキドキと聞いていた。
山岡が俺を好き。 嘘でも冗談でもなく、本当のことなんだ。
「私も好きです」
山岡の腕が俺の背中に回る。
もっと近づいた二人の距離に俺はビクリと腰を引いてしまった。
山岡のおっぱいが…俺の股間が…
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