*Only Princess*
文化祭が始まる10時前。
てったを含めた白鷹がうちの教室にやって来た。
周りの女子は騒ぎっぱなし。
そんな光景にももう慣れた。
あたしが白鷹に入ったこと、学校の人には一瞬にして広まった。
たぶん、胸元の鷹のピアスを見たからだと思うけど。
最初はグチグチ言ってるのが耳に入ってきたけど、今は前と変わらずみんなが騒がれているだけだ。
「なーお! いよいよ文化祭だな〜」
「そうだね〜」
あたしと美紗が座っている席の近くにみんなが腰を下ろした。
あたしが白鷹に入ったあの日から数日後。
みんなと倉庫のソファーでギャーギャーワーワーしていたら、真幸くんから急な提案が出された。
『俺たちのこと、てったみたいに呼び捨てで呼んでくれよ! 今のままだとなんか距離あるしな〜』
『あぁ……確かに』
みんなのことくん付けで呼んでいた。
でもてったのことは呼び捨てじゃないけどね。
小さい頃、"てつた"が言いにくくて"てった"と呼ぶようになっただけなんだから。