*Only Princess*
「次は真幸くんたちのクラスのB組に行く?」
「そうしよっかな」
真幸と司のクラスはお化け屋敷……だよね。
B組に着くと、外装からして怖かった。
思わず足がすくむ。
「……ねえ、菜生。菜生ってお化け屋敷とか、苦手じゃなかったっけ?」
「……うん、そうなんだよね」
お化けとかちょっと、いやかなり苦手。
ジェットコースターみたいな、そういう怖さは大好きなんだけど。
うーん、どうしよ。
行くべきか、行かないべきか。
悩んでいるそのとき、司が教室から出てきた。
前に見たときと同じように、化け猫の格好をしている。
そして何か不満げな顔をしていた。
「あれ、司。どーしたの?」
「あ、菜生。なんかさー、お前じゃ全然怖くないから受付してろって。ひどいと思わない?」
「あはははっ。確かにその格好じゃ怖くないよねー」
「うんうん! 可愛いと思う」
美紗と一緒になって笑う。
こんなのが中にいても、怖がるどころか可愛くて抱きついちゃうよ。