*Only Princess*
笑い転げていると、司は恥ずかしさでいっぱいになったのか、怒り出した。
「あーもう、うざっ! 笑うなって!」
そんなことを言っても、無駄無駄!
可愛いことには変わりないんだから。
「〜〜っ! もうあんたら入れっ!」
「え!?」
「うわっ!?」
耐えきれなくなった司は、あたしたちの背中を押し、教室の中に入れてしまった。
驚きで呆然とするあたしたち。
ひんやりとするその空間。
暗くてほとんど何も見えない。
こ、怖いぃ……!
司をバカにしすぎちゃったみたい。
……あとで謝っておこう。
って、それよりも!
あたしお化け屋敷苦手なのに〜!
ああ、怖い。
こういうのって早く進んだほうがいいのかな。
「美紗? いるー?」
「いるいる」
「ねえ、手繋ご」
「えー、高2にもなって?」
「いいから!」
「はいはい」
美紗と手を繋ぎ、というかあたしが美紗の手を握り歩き出した。