*Only Princess*
「はぁ。なんか最後らへんはへーきだったかも」
「途中から私のこと盾にしてたじゃーん」
「あれ、あはは……そうだっけ?」
睨んでくる美紗の視線から目を逸らす。
すると嫌味っぽい笑みを浮かべる司がいた。
さっきの仕返しと言わんばかりに、あたしに話しかける。
「菜生の声、外まで聞こえてたよ。ぷっ。ダッサー」
……うざっ!
なんなの、本当ムカつくんだけど!
いや、でも叫びまくったのは事実。
言い返せなかったから、あたしは司に向かってあっかんべー!としといた。
司も同じようにあっかんべー!ってしてきたけど、無視する!
あたしはオトナだから!
ふんっと顔を逸らし、司のいる反対方向に歩き出す。
「ふふ……2人とも子どもじゃん」
うぐっ。
こそっと美紗にそう言われ、言葉が詰まる。
そして開き直る。
「……いいもん、子どもで」