*Only Princess*




笑う琉依たちを横目で睨み、下っ端くんたちに心の中で謝り、あたしは必死でセリフを繋いだ。



「『桃太郎さん、どこへ行くのですか?』」


「『鬼ヶ島へ、鬼退治に行く』」


「『それではお腰に付けたきびだんごを1つ私にくださいな。おともいたします』」



あたしとてったのやり取りに、またもや爆笑のみんな。


おかしくてたまらない、とまでいきそうな笑いっぷりだ。


……もう。

あいつらあとでボコボコにしてやるっ!


あたしたちは顔を少し赤く染め、ぎこちないながらも劇を進めた。


そこからも劇は順調に進み、拍手と歓声を浴びて幕を閉じることができた。



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